甲州市の果樹園の中に建つこの敷地には交通量はほとんどなく、山々に囲まれたとても静かな場所。
ここには居住エリアとofficeエリアとが存在し、さらにいくつかの屋外空間がつくられていてそれぞれに明確なコンセプトがある。
家族、友人、知人の集う共有の庭。完全プライベートの庭。
Officeエリアではそこで働く人と来客した人との打合せや、くつろぎスペースとして。
また、冬の暖炉用の薪をつくったり、子供の自転車の手入れをしたり…
プライベートの守られた屋外空間で“何か”をする事は、そこで過ごす時間を大切に感じ、屋内では決して感じられない“何か”がある。
居住エリアでは2世帯住宅と、さらに知人、友人などが多く来る美容のスペースが存在し、ヘアーカットやメイク、着付けをしたり…
プライバシーの確保が難しい中で開放的で落ち着きある空間をつくるには平面的な角度や、立体的な高さを変えて計画した。
それにより通風や採光、外部からの視線の問題を確保しながら、
重なり過ぎないスペースと、視線や音がクロスし過ぎないコートハウスをつくっている。
様々な人が出入りする中でそれぞれに心地いい空間をつくるには工夫次第でプライベート、
開放的な空間、人とのコミュニケーション、などのバランスを自由にコントロールできる。
それにはベースとなる計画に加えて変化する要素も必要になってくる。
ここでの暮らしは、それがあるからこそ豊かな気持ちで時間を過ごすことができる。